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欧米の国債利回りが急低下。実は日銀による外債購入まで織り込まれている?

 

 日銀の量的緩和拡大が欧米の債権市場に大きな影響を与えている。政策決定会合が行われた4月4日以降、フランス国債や米国債が買い進まれ、利回りは急低下した(債券価格は上昇)。政策決定会合前には2%台だったフランス国債の利回りは、決定会合後には1.751%に低下した。米国債も同様で、1.8%台だった利回りが8日には1.7%台に低下している。

 欧米の債券が買われたのは、日銀の量的緩和策の拡大によって、日本の外債購入が増加するでのはないかとの思惑からだ。

 日銀は今後、年間60兆円から70兆円の国債を購入することになる。理論上は日本の国債発行市場のほとんどが日銀の買いで占拠されることになり、金融機関は購入する商品がなくなってしまう。
 また金利の急低下が見込まれることから、運用難になることが予想されるため、最終的には外国債券に資金がシフトするのではないかと市場関係者は注目しているわけだ。

 ただ、実際に外債に資金がシフトしていくのかは微妙だ。実は日本の機関投資家はすでに可能な範囲で外債の購入割合を増やしている。これ以上、外債の割合を高めるとなると、ポートフォリオ全体のバランスが変わってくることになり、これは投資戦略の根本的な変更になってしまう。これを決断するには、かなりの時間がかかることが予想される。

  それでは、現在買い進まれている欧米の国債は単なる短期的な思惑買いなのかというと必ずしもそうではなさそうだ。市場関係者の一部は、外債購入を積極的に行う大本命として日銀そのものを想定しているからである。

 日銀の黒田総裁はこれまで重ねて外債の購入については否定的見解を示してきた。諸外国から為替操作と認定されるリスクがあるというのがその主な理由である。
 だが、欧米各国、特に米国債の積極的な買い手として日本が位置付られるとすれば、為替操作というレッテルが貼られるリスクは少なくなる。しかも、日本側にはもともと米国債を積極的に購入して米国の歓心を買いたいという政治的土壌がある。

 日銀が積極的に外債を購入すると宣言した場合のアナウンスメント効果は絶大である。次のサプライズとして着々と準備が進められているのかもしれない。

 - 経済

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