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鳥インフル感染者は何故か長江デルタ地域だけ。拭えない中国当局による情報隠ぺい疑惑

 

 中国で鳥インフルエンザ(H7N9)の感染が徐々に拡大してきている。4日9日にはあらたに2名の感染が報告され、これで感染者数は28名となった。このうち死亡したのは現在のところ8名となっている。

  中国当局は、以前、新型肺炎(SARS)が流行した際、情報を隠ぺいしたことで被害が拡大したと批判を受けたことから、積極的に情報公開する姿勢をアピールしている。
 確かに感染者の情報は随時公開されているように見えるが、一部には本当にそうなのか疑問視する声もある。感染者がなぜか、長江デルタ地域に集中しているからである。

 4月9日時点での感染者は、上海市が13名(うち死亡5名)、浙江省が8名(うち死亡2名)、江蘇省が3名(うち死亡1名)、安徽省が2名(死亡なし)となっており、感染者は上海を中心とした長江デルタと呼ばれる地域に集中している。長江デルタ地域は、日本でいえば太平洋ベルト地帯のようなところで、中国最大の工業、商業地域である。

 今回のインフルエンザウイルスの感染源はまだ特定されておらず、感染が特別に集中している都市というのもない。韓国からの渡り鳥が原因という分析結果も出ていることを考えると、広範囲に感染源が存在していた可能性もある。そうなってくると、長江デルタ地域だけに感染者が集中しているのは不自然ということになる。

 長江デルタ地域は、情報網や医療機関の設備など各種インフラが整っていることから、情報が共有されやすいという面がある。ある程度の時間が経てば、他の地域からも感染例が報告されてくるかもしれない。
 ただ中国当局に対しては、多くの国民が情報を隠ぺいするのではないか?という疑念を払拭できないでいる。感染者が長江デルタ地域に集中していることを疑問視する声が出るのも、背景には政府に対する根強い不信感が存在しているからだ。

 もちろんこの話は日本にとっても他人事ではない。日本でも原発事故以降、政府が提供する情報に不信感を持つ国民が増加した。一度情報の透明性に対して疑問を持たれてしまうと、それを解消するのは容易なことではない。日本は、中国と比較すれば当局以外の情報チャネルは確立している方だが、抱えている問題の本質は中国と同じものである。

 - マスコミ, 政治, 社会

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