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諜報組織所属のキャリア官僚の自殺。原因をめぐって様々な憶測が飛び交う

 

 東京都内のマンションで死亡しているのを発見された内閣府のキャリア官僚の死因をめぐって様々な憶測が飛び交っている。

 4月1日午前、東京都渋谷区のマンションで、この部屋に住む加賀美正人氏が死亡しているのが発見された。加賀美氏は外務省のキャリア官僚で、現在内閣府に出向し、内閣情報調査室の参事官を務めている。警察の調べによると、浴室内に燃えた練炭が見つかっており、自殺の可能性が高いという。

 ここまではよくある自殺なのだが、加賀美氏が内閣情報調査室に所属していることから様々な憶測が飛び交うことになった。内閣情報調査室とは通称「内調」と呼ばれ、日本では数少ない諜報活動を行う組織として有名。要するにスパイ組織である(右は内調のホームページ)。

  加賀美氏は外務省からの出向でロシア問題の専門家。かつては、外務省で鈴木宗雄氏と対立し「殴られた」と主張したこともある人物(その真偽をめぐっては様々な見解がある)。
 ロシア問題の専門家であることから、外交上のトラブルに巻き込まれたのではないかとも言われている。実際、表には出ないものの、諸外国の諜報組織からハニートラップ(女性を使って誘惑し情報を得る手段)を仕掛けられ、窮地に陥る公務員も少なくないという。仕事柄、そのような噂が出るのはある意味で当たり前かもしれない。また実際に何らかの外交的トラブルと関係している可能性も十分にある。

 一方、日本の学歴エリートが精神的に非常にひ弱であるというのもまた事実である(本誌記事「公務員出身議員の自殺が多いワケ」参照)。例えば、現在中国大使を務めている木寺昌人氏は、外務省の会計課長時代、当時の田中真紀子大臣から外務省の隠蔽体質について激しく責められ、病気になって休職してしまった過去がある。
 田中氏に責められただけで病気になってしまう人が、中国のような国との交渉に対峙して大丈夫なのかとも思えてくるが、こういったタイプのエリート官僚は多い(本誌記事「中国大使の木寺氏が着任。真紀子大臣に責められて病気になっちゃった人だけど大丈夫?」参照)。

 このような事件が起きると、日本はスパイ天国なので、もっと諜報を強化せよという声が出てくるが、こういった世論誘導を行うのも一種の諜報活動である。逆に、危害を加えた側が、単なる自殺であるという噂を流し、かえって恐怖感を煽るという方法もあり、誰がどのような目的でどんな情報を流しているのか、その実態をつかむことは難しい。

 結局のところ、深層は藪の中なのだが、何らかの事件に巻き込まれた可能性はある一方で、単なる自殺の可能性も十分にある。こういった事件が起こった際には、少なくとも、特定の情報だけに惑わされることのない冷静さを持つことが重要である。

 - 政治

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