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フェイスブックCEOが政治団体を旗揚げ。彼への批判はオールド企業からの攻撃?

 

 米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは4月11日、移民法改革などを目指した政治団体を正式に立ち上げたと発表した。
 ザッカーバーグ氏の政治団体設立は以前から報じられており、特別目新しい話ではない。ただ、この政治団体をめぐってはシリコンバーレ内部から批判が出ていてため、その動向が注目されていた。

 政治団体の目的は主に移民法の改革にある。現在、米国には膨大な数の不法移民が住んでいる。法律上は滞在できないことになっているが、その多くは低賃金労働に従事しており、米国にとってなくてはならない存在になっている。

 米国の場合、不法移民でも教育を受けることは可能だが、正式な就労ビザを得るのはほぼ不可能という状況。これによってせっかく教育を受けた優秀な人材が米国で活躍できないという問題が指摘されてきた。

 移民の合法化によって就労機会が奪われるという労働者層の反発はあるものの、オバマ政権はすでに移民合法化に舵を切っており、共和党も有力議員が賛成している。社会は移民合法化に向かって流れているといってよい(本誌記事「動き出した米国の移民制度改革。その影響は日本や中国にも及んでくる」参照)。

 ザッカーバーグ氏の政治団体に対しては、賛否両論が存在するテーマに有名人の名前を利用して介入するのはIT業界に悪いイメージを与えるとして内部から反対の声が上がっている。だがザッカーバーグ氏の行動に批判的なのは、シスコ、オラクル、インテルなどの老舗企業が中心。
 移民問題については政治的には機が熟しつつあることを考えると、ザッカーバーグ氏に対する批判は、オールド企業による新興企業に対する批判と解釈するのが妥当なようである。

 ザッカーバーグ氏の団体には、すでに超大物ベンチャーキャピタリストのジョン・ドーア氏、ヤフーのマリッサ・メイヤーCEO、Googleのエリック・シュミット会長、ペイパル創業者、ジンガ創業者などが名を連ねており、シリコンバレーの顔になる可能性は高いと思われる。

 シリコンバレー企業が本格的に米国政治にコミットし始めたのは、90年代初頭、クリントン政権下で情報スーパーハイウェイ構想が立案されたことがきっかけである。それまで軍需企業が中心であったシリコンバレーは大きく変貌し現在に至っているが、当時の主役企業といえばHP、インテル、シスコなどであった。クリントン政権の誕生からすでに20年が経過していることを考えると、シリコンバレーの「顔」が変わるのはある意味で当たり前なのかもしれない。

 - 政治, IT・科学

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